読書感想

『中二病でも恋がしたい! 2』/虎虎

・中二病カップルなので中二病な会話をする訳だけど、恥ずかしい応酬の最中にラヴが溜まってくると中二的な返しが出てこなくて素が覗いちゃう、という流れが実にエモい。どうやって感情の高揚を文章で表現するかと考えた時、つまり「好き」をどうやって書こ…

『中二病でも恋がしたい!』/虎虎

一読した直後なので、とりあえず散漫に。・中二病の女の子を脱中二病した男の子が理解し導く話だったらやだなーと思っていたのだが、むしろ男の子が女の子に振り回される話ですごい癒されたという。 ・中二病を理解してくれる→好きになる、ではないところが…

『も女会の不適切な日常』/海冬レイジ

1巻。 ・居心地のいい空間の実装。恋愛要素の導入と過酷な葛藤の回避或いは先延ばし。といった発想が再序盤では割と浮かぶ。 ・告白の先延ばし/不成立の徹底。あらゆる働きかけが(お決まりの)ギャグ/持ちネタとして処理される空間。切迫した想いは常にギ…

『ビアンカ・オーバースタディ』/筒井康隆

・ブレインストーミングめいた散漫な雑感。 ・メタラノベってそういうことなん? という困惑。 ・意識的に行われたであろう、序盤の定型文の反復。代わり映えのしない現実を象徴する仕掛けだったのか、「ラノベって繰り返しが多いものでしょう」という作者の…

『東京皇帝☆北条恋歌』/竹井10日

2〜4巻まで読了。 ・2巻冒頭から「家の玄関でローションをぶちまけて大パニック」という酷すぎる展開で、いきなりフルスロットルだなーといった印象。ツッコミ不足でひたすらズレつつもうまいギャグを掛け合うテキストは正に竹井10日のもの。1巻はやっぱりキ…

『紅』/片山憲太郎

・紫さん7歳がどこまでもかわいい。 ・そのかわいさが通常の7歳女児を思い浮かべて連想できるそれとは少し違う印象で、どういうことかっつーと、紫さんは我儘とか言わないんですね。そして精神的にありえないレベルで成熟してる。なのに、自分が(身体的にも…

『永遠のジャック&ベティ』/清水義範

・清水義範大好きです。インパクトの瞬間、ヘッドは回るわけですよ。ええ。

『狂乱家族日記 弐さつめ』/日日日

・安心して読めますね。というのはまあ、たぶん誰かが発狂して家庭崩壊とかそういう展開はないので、不安感を煽られる箇所が存在しませんよね、という話なんですが。だから物語を動かすのが外部の悪意になるのは自然な流れに思えます。コメディ主体ながら、…

『学校を出よう!』/谷川流

・1巻。ひたすら冗長な文章で記述される物語が、終劇に近づくにつれ、その文章の無駄さを一気に捨てて加速していく感覚の気持ちよさ。ドライブ感、という言葉を用いて形容してもいいのかな。瞬間最大エモさには凄まじいものがあると思います。 ・2巻。SFコメ…

『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」』/上遠野浩平

・超好き。たぶんこの寂しさや刹那さ(誤字にあらず)の表現ってのは時代に大きく寄りかかったソレなのでしょうが、しかし古臭さもうそ臭さも感じられませんでした。輪の描き方、というのかなあ。うーん、考えがまとまらない。

『ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター』/上遠野浩平

・よくわからない。わからないけど、きっと何か重要なことが書かれているはずだ、と感じた。近い内に読み返しておきたい。

 『東京皇帝 北条恋歌(一巻)』/竹井10日

・長大なラノベの1章だけ取り出してみたのかなあ、という印象を抱かされるほどに一冊で話が纏まっていないです。最後の数ページでやっと最初の大きな流れが始まるのかなーってくらいの雰囲気をほの見せたくらい。ラストでちょっと状況が動いて次巻へ引き、と…

 『狂乱家族日記 壱さつめ』/日日日

・事前情報として「日日日はヤバい」といったような噂だけは耳にしていたため、欝だったらどうしよう、グロいのも覚悟すべきか、と戦々恐々の体で読書に臨む羽目となった……のですが、思った以上に優しい世界の話でした。優しい世界は大好きです。・続刊を意…

 『青葉繁れる』/井上ひさし

・主人公の高校生らしい妄想が非常に生々しくて笑えません。いや客観的にはたぶん面白いんですが、可愛い娘を見るたびその娘との将来まで妄想してしまう、というシーンでこう過日の古傷がずきずきと。きっつい。 ・どこに着地するのか全くわからないなあと思…

『キリンヤガ』/マイク・レズニック

・老いたケニア人の男性コリバが祈祷師ムンドゥムグとして人工のユートピア「キリンヤガ」を運営する話。・あとがきで著者自ら「両義性」という言葉を持ち出している通り、どの話にも閉塞感が付き纏いますね。どう決断しようと何かが切り捨てられる問いの連…

『発狂した宇宙』/フレドリック・ブラウン

・世界線の移動という発想を持たず、最初から「世界が変質した」というラインで自らに降りかかった異変を考えるあたり、多元世界に関するリテラシーをあまり持たない(これは終盤に示されますね)主人公で、これがすごく新鮮に感じました。こういう時、即座…