『学校を出よう!』/谷川流

・1巻。ひたすら冗長な文章で記述される物語が、終劇に近づくにつれ、その文章の無駄さを一気に捨てて加速していく感覚の気持ちよさ。ドライブ感、という言葉を用いて形容してもいいのかな。瞬間最大エモさには凄まじいものがあると思います。
・2巻。SFコメディ。つまらない/無駄な部分が主観的に存在しませんでした。どの箇所もそれ自体が面白く、かつ大きな流れの中で有意である、という。僕は非常に頭が弱い(記憶力・分析力の双方が欠落している)割に説明描写を好まない人間なので、「楽しいし訳がわかる」という構成にはかなりときめくものがありました。
・3巻。あんまり光明寺好きじゃないっぽいんだよなー、というのがあって、でもまあ続刊を読んでから改めて考えたいところではあるので今は備忘録的にそう記述しておくに留めます。ラストシーンのエモさは1と張るんじゃないかしら。副題の意味深さ、被造物たちの朗らかな諦念、あっけらかんとした希薄さが美しすぎて、夢のよう。