2011-01-01から1年間の記事一覧

『永遠のジャック&ベティ』/清水義範

・清水義範大好きです。インパクトの瞬間、ヘッドは回るわけですよ。ええ。

『狂乱家族日記 弐さつめ』/日日日

・安心して読めますね。というのはまあ、たぶん誰かが発狂して家庭崩壊とかそういう展開はないので、不安感を煽られる箇所が存在しませんよね、という話なんですが。だから物語を動かすのが外部の悪意になるのは自然な流れに思えます。コメディ主体ながら、…

『学校を出よう!』/谷川流

・1巻。ひたすら冗長な文章で記述される物語が、終劇に近づくにつれ、その文章の無駄さを一気に捨てて加速していく感覚の気持ちよさ。ドライブ感、という言葉を用いて形容してもいいのかな。瞬間最大エモさには凄まじいものがあると思います。 ・2巻。SFコメ…

『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」』/上遠野浩平

・超好き。たぶんこの寂しさや刹那さ(誤字にあらず)の表現ってのは時代に大きく寄りかかったソレなのでしょうが、しかし古臭さもうそ臭さも感じられませんでした。輪の描き方、というのかなあ。うーん、考えがまとまらない。

『ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター』/上遠野浩平

・よくわからない。わからないけど、きっと何か重要なことが書かれているはずだ、と感じた。近い内に読み返しておきたい。

VSイマジネーターの感想を書きあぐねているうちに色々と億劫になって放置していた、というのがこの長期停止の顛末。下手の考え、の諺を持ちだすのは誠実さを欠いた過当な卑下(それでいてナルシシズムに塗れている!)に思えるので避けたいのだけど、停滞し…

 『東京皇帝 北条恋歌(一巻)』/竹井10日

・長大なラノベの1章だけ取り出してみたのかなあ、という印象を抱かされるほどに一冊で話が纏まっていないです。最後の数ページでやっと最初の大きな流れが始まるのかなーってくらいの雰囲気をほの見せたくらい。ラストでちょっと状況が動いて次巻へ引き、と…

 『狂乱家族日記 壱さつめ』/日日日

・事前情報として「日日日はヤバい」といったような噂だけは耳にしていたため、欝だったらどうしよう、グロいのも覚悟すべきか、と戦々恐々の体で読書に臨む羽目となった……のですが、思った以上に優しい世界の話でした。優しい世界は大好きです。・続刊を意…

 『青葉繁れる』/井上ひさし

・主人公の高校生らしい妄想が非常に生々しくて笑えません。いや客観的にはたぶん面白いんですが、可愛い娘を見るたびその娘との将来まで妄想してしまう、というシーンでこう過日の古傷がずきずきと。きっつい。 ・どこに着地するのか全くわからないなあと思…

 『攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society』

攻殻機動隊S.A.C. Solid State Societyを視聴。以下雑感。・変化していく九課の描写で幕を開けたので、てっきり人間ドラマと事件を並行して描くのかと思ったのだけれど、前者は少佐が合流した時点で有耶無耶になってしまったような印象。それだけ少佐の拠り…

『キリンヤガ』/マイク・レズニック

・老いたケニア人の男性コリバが祈祷師ムンドゥムグとして人工のユートピア「キリンヤガ」を運営する話。・あとがきで著者自ら「両義性」という言葉を持ち出している通り、どの話にも閉塞感が付き纏いますね。どう決断しようと何かが切り捨てられる問いの連…

『発狂した宇宙』/フレドリック・ブラウン

・世界線の移動という発想を持たず、最初から「世界が変質した」というラインで自らに降りかかった異変を考えるあたり、多元世界に関するリテラシーをあまり持たない(これは終盤に示されますね)主人公で、これがすごく新鮮に感じました。こういう時、即座…